リフォームを検討する際、クロスのカタログを開くと「量産品」と「一般品(ハイグレード品)」という分類を目にすることになります。この二つのグレードには、単なる価格以上の明確な違いが存在し、それを理解した上で選定を行うことが長期的な満足度に繋がります。まず、量産品と呼ばれるタイプは、一平方メートルあたりの単価が安く、主に賃貸住宅や大規模な戸建て住宅で標準的に採用されるものです。デザインは白やベージュなどのシンプルで合わせやすいものが中心ですが、最近の製品は厚みがあり、リフォームにおける下地の凸凹を隠しやすいという実用的なメリットも持っています。一方で一般品、いわゆる1000番クラスと呼ばれるハイグレードクロスは、その名の通りデザインのバリエーションが飛躍的に広がります。織物調、石目調、木目調といったリアルな質感の再現に加え、デザイナーズブランドのような洗練された柄や、深い色彩を持つ製品が揃っています。耐久性の面でも違いがあり、一般品には表面を樹脂で強化した「ハードタイプ」や、汚れが浸透しにくいフィルム加工が施されたものが多く、物理的な衝撃や擦れに対して強い耐性を持っています。例えば、廊下や階段、玄関といった人の出入りが激しく、荷物が当たりやすい場所には、多少コストが上がっても耐久性の高い一般品を選ぶ方が、結果として次の張替えまでの期間を延ばすことができ、トータルでのコストパフォーマンスは高くなります。逆に、普段あまり使わない客間や収納内部などは、コストを抑えた量産品で十分清潔感を保つことができます。また、火災時の安全性に関わる防火認定や、シックハウス症候群を防ぐためのホルムアルデヒド放散等級については、現在流通しているほとんどの製品が最高基準を満たしているため、どのグレードを選んでも安心感に大きな差はありません。リフォームの予算を賢く配分するためには、場所ごとの「視覚的な重要度」と「物理的な負荷」を天秤にかけ、グレードを使い分ける戦略が求められます。
リフォーム用クロスのグレードによる違いと耐久性の比較