お風呂のリフォームを考えた時、その工法には大きく分けて「ユニットバス(システムバス)」と「在来工法」の二つの選択肢があります。現在、日本の住宅ではユニットバスが主流となっていますが、在来工法にも根強い人気があり、それぞれに明確なメリットとデメリットが存在します。どちらが自分の理想の浴室に合っているのか、その特徴を比較検討してみましょう。まず、「ユニットバス」です。これは、壁・床・天井・浴槽といったパーツが、工場で一体的に製造され、それを現場で組み立てて設置する工法です。最大のメリットは、「高い防水性」と「品質の安定性」です。工場生産のため、水漏れのリスクが非常に低く、製品としての品質が均一です。また、組み立てるだけなので「工期が短く」、それに伴って「費用も比較的安価」に抑えられます。断熱性や清掃性など、機能面で優れた製品が多いのも特徴です。デメリットは、規格化された製品であるため、「デザインや間取りの自由度が低い」ことです。変形した浴室や、特殊なサイズの空間には対応が難しい場合があります。次に、「在来工法」です。これは、昔ながらの工法で、現場で防水工事を施した上に、タイルや石、木材などを使い、職人が一から浴室を造り上げていく方法です。最大のメリットは、その圧倒的な「デザインの自由度」です。浴槽の形や素材(檜風呂など)、壁や床のタイル、窓の大きさや位置まで、全てを思い通りに設計できます。どんなに変形した空間でも、その形に合わせて浴室を造ることが可能です。デメリットは、職人の腕によって仕上がりの品質が大きく左右されること、そして「防水工事」が非常に重要で、ここに不備があると水漏れのリスクが高まることです。また、一から造るため「工期が長く」、費用もユニットバスに比べて「高額」になります。デザインの自由度とオリジナリティを追求するなら在来工法、機能性やコスト、工期の短さを重視するならユニットバス。あなたのこだわりと価値観が、どちらを選ぶかの決め手となります。