私が子供の頃から慣れ親しんだ実家のお風呂は、昔ながらの在来工法で作られたタイル張りの浴室でした。冬になると、一歩足を踏み入れた瞬間に全身が凍えるような寒さが襲ってきます。追い焚き機能もないため、家族が順番に入るとお湯はどんどんぬるくなり、温まるどころか体の芯まで冷え切ってしまうこともしばしばでした。壁や床のタイル目地には、いくら掃除してもすぐに黒いカビが発生し、その掃除も重労働でした。特に高齢になった両親にとって、滑りやすいタイルの床や、浴槽をまたぐ際の深い段差は、いつ事故が起きてもおかしくない危険な場所になっていたのです。そんな両親の安全と健康を思い、私はユニットバスへのリフォームを強く提案しました。最初は「まだ使えるのにもったいない」と渋っていた両親も、最新のユニットバスのカタログを見せ、ショールームに連れて行くと、その快適そうな機能と安全性に次第に心を動かされていきました。決め手となったのは、魔法瓶のように温かさが持続するという高断熱浴槽と、冬場でもヒヤッとしない特殊な素材でできた床でした。工事が始まり、長年見慣れたタイルのお風呂が解体されていく様子は少し寂しくもありましたが、新しい浴室が少しずつ形になっていく姿に期待が膨らみました。そしてリフォーム完了後、初めて入った新しいお風呂の快適さは、私たちの想像を遥かに超えるものでした。ドアを開けても、あの嫌な寒さは全くありません。床は柔らかく、温かみさえ感じられます。浴槽のお湯は、最後の人が入り終わるまでずっと温かいままでした。何よりも嬉しかったのは、手すりが設置され、段差が解消されたことで、両親が安心して入浴できるようになったことです。掃除も驚くほど簡単になり、カビの悩みからも解放されました。リフォーム後、父が「まるで温泉旅館のようだ」と嬉しそうに話してくれた時、思い切ってリフォームして本当に良かったと心から感じました。ユニットバスへのリフォームは、単に浴室を新しくするだけでなく、家族の暮らしに温かさと安全、そして心のゆとりをもたらしてくれる、かけがえのない投資だったと確信しています。